今回は僕の職業であるClinical myotherapy(クリニカルマイオセラピー)について紹介したいと思います。
クリニカルマイオセラピーとは?
大体30−40年前にリメディアルマッサージと言われる資格から派生した派生した筋骨格系の痛みや怪我専門の職業になります。この際の筋骨格系の痛みとは、筋膜から来る痛み、関節、腱、靭帯から来る痛みや怪我、又神経系の痛みや症状を含みます。オーストラリアのメルボルンがメインで、学べる場所は大学が一校(Torrens university)と専門学校一校(Endeavor collage)になります。今は生徒数の関係でTorrens universityのみになっているみたいです。
どうやったらなれるの?
クリニカルマイオセラピーは大学の学士の単位になります。留学生はフルタイムで3年ですが、3学期制のため単位数としては4年制で2学期制の大学と同じです。入学にはIELTSは6.5必要で、全ての項目で5.5以下があってはいけません。学費は一年で$23.600(約190万 2021年8月現在)が3年なので大体600万円が合計でかかります。
Diploma of remedial massage を勉強した場合は2年、Advanced Diploma of myotherapyを勉強した場合は1年で卒業になります。
何を勉強するの?
1年目は基本的な体の構造や病気のことやどう論文を読んでそれを役立てるかなどの科目になります。
2年目になると実践的な科目が増え、バイオメカニクス、エクササイズ療法、Dry needling、評価の仕方について学びます。また学校内のクリニックで実戦経験また、学校外での治療の見学もコースの一部になります。
3年目は、さらなる応用と発展で、エクササイズ、Joint mobilization, 薬学、神経系の評価と症状についての勉強をします。
1番の強みは痛みの科目とClinical reasoning(なぜそう考え、その評価をし、その治療を行い、今後どうするのか)だと思います。
痛みに関して、Pain management 1、2,3 という科目があり、毎年痛みについて学ぶ、他のコースにはない痛みのかなりフォーカスしているコースになります。またNeuropsychologyという科目は、慢性痛の患者さんの精神的などの項目が慢性痛の原因もしくは要因になっているかを評価し、心理学のどの治療法が役に立つかに重きをおいた科目で、心理学でも特別に専攻しないかぎりは学ばない科目が勉強できます。
Clinical reasoningについては、一番と言っていいくらいしんどいところです。試験や授業中でもWHYをめちゃくちゃ聞かれます。その答えとしては最新の研究や論文に基づいた答えや過程でないといけません。
例えば、腰痛の患者さんで前屈ができない場合、質問だけで初めは30−40分かかるくらいの情報量を聞く必要があります。実習のでの例を挙げると、
痛みの場所、痛みの種類、痛みの期間、過去に同じ症状があったか(あった場合何をしたのか)、神経系の症状の有無、運動歴、病歴、家族の病歴、痛みが始まった時やその前に変えたこともしくは新しく始めたこと、悪化もしくは緩和要因、仕事、薬の服用の有無、子供がいるかなど病気に関係なさそうなとこにもヒントがある場合があります。心理的な要因が痛みに関係する(BPS モデル)ことを踏まえると、痛みが体だけではなくそれ以外の部分からも来ている可能性を考えて問診する必要があります。
この問診後にスーパーバイザーと呼ばれる教授の元に行き、これを口頭で説明します。そして、教授から鬼のように質問されなぜこれを聞いたか、聞かなかったのかなどフィードバックをもらい、また患者さんの元へ戻り問診の続きとアセスメントという形になります。して、自分が思う病名や怪我を3つあげ、なぜそう思うかを説明します。この繰り返しを通して、なぜこうするのかという理由づけのクセを植え付けていく感じです。
学期間の僕の1週間のスケジュール例
月曜日:午前 実習 8−1時、 午後勉強
火曜日:授業 11−2時 3−6時
水曜日:午前 仕事、 午後 授業3−7時
木曜日:仕事
金曜日:午前 勉強、 午後:仕事
土曜日:午前 仕事 午後 ラクロス
日曜日:勉強
時間を作ってジム、また火曜日と木曜日の夜はラクロスの練習って感じで、ほとんど遊んでなかったです。。。
メリット
メリットは海外で学士が取れることと、オーストラリアで働くための資格が卒業と同時に取ることです。勉強をメリット、デメリットで個人的には決めませんが、資格をオーストラリアで取ることはオーストラリアで働くために必要な一つの道です。
個人的に満足してるのは、教授のレベルと教育の体系です。教授との距離が近く、テクニックどうこうよりも考え方の部分を磨けます、というか磨くしかないです。その分勉強は厳しいですが。
デメリット
留学生はフルタイムでの勉強になるので、1学期に4科目取らないといけません。これがめっちゃきつい。授業は一科目週に3時間、もしくは実習であれば週に5−10時間なので、週では20時間前後ですが、課題がめちゃくちゃきついです。ほぼ毎週課題がある、もしくは2、3個の課題がその週にあったりと学期間はストレスは課題に追われるストレスは結構きついです。
課題の例
Week 3, Online quiz
Week 4, 1000 words report
Week 5, Online quiz
Week 6, 1500 words report
Week 7, Online quiz、800words report
Week 8, Online quiz, 1500 words report
Week 9, Online quiz, presentation
Week 10, 1500 words report and 2000 words report
Week 11, practical exam (実技試験)
みたいな感じです。中には3000−4000字の大きなレポートもあるので早めに進めることをお勧めします。
論文を読むことも大変で、100文字に最低一回は論文を参照しなければならないなどのルールがあるので、1000文字のエッセイであれば最低10個の論文を読まなければなりません。
しんどい課題に加えて2つ目のデメリットはあまり認知されてないことにあります。まだ歴史が浅いこともあり、知らない人が多いのは事実です。メルボルンやシドニー、ブリスベンではまだ認知度は高いかもしれませんが、小さい都市に行けばほぼ認知されていないので、せっかく大学まで行ったのに。。。みたいなこともあるので、勉強する前に考える必要があります。
本気で勉強したいもしくは施術者としてレベルアップしたい人にはオススメ
低い認知度、大変な勉強に加えて高めの学費。なので本気でこの世界で勉強して、仕事していきたいっていう強い気持ちがあったら在学中も楽しめると思いますし、ストレスも少ないと思います。
次回は一番といってもいいくらいしんどかった最終試験について紹介したいと思います。
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