大学時代に意見の異なる2人の理学療法士から学んだこと

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最近よくこの学んだことというか再確認したことを目にする機会が多いので書くことにしました。

大学時代、2人の理学療法士がスーパーバイザーをやってました。スーパーバイザーの役目は学生が運営するクリニックで患者さんに対する問診、テストに基づいた診断が合っているかまたその過程が合っているか、clinical reasoning(臨床的推論)に基づいているかどうかを確かめる役目がメインです。

1人はマイオセラピーがバックグラウンドの理学療法士で手技を割と使い、最新の論文に基づいた意見を言うタイプ。例えば、梨状筋症候群(Piriformis syndrome)ではなく深臀部症候群(Deep gluteal sydrome)。言えば梨状筋が原因って分からないのにその診断名はなくない?ってタイプ。

もう一人は運動生理学がバックグラウンドの理学療法士で、手技はほぼ行わずエクササイズ、運動療法がメイン。そしてsyndrome(症候群)は施術者のスキル不足で原因を特定出来ないがためにできた妥協の言葉でとにかく曖昧な診断名を嫌うタイプでした。

そのため、同じ患者の診断名も一人には受け入れられてももう一人には受け入れられない。また仙腸関節の関連痛が足の外側に行く行かないなどでも意見が分かれ正直生徒たちは困っていました。僕はマイオセラピーも運動生理学もどちらのバックグラウンドもあるのでどちらのアプローチの仕方も理解はして、みんなバイアスがあるのももちろん承知しています。個人的には論文を読むのに力を入れていたので自分のバイアスの近かった前者の理学療法士の考え方が好きでした。前者は講義を持っていたので、講義終わりに「仙腸関節の関連痛についてやそれ以外のアプローチも2人も違うから正直どちらの言うことを聞いたらいいかわからない」と聞いたら

どちらの言うことも信じるな。どちらかが必ず正しいなんて証拠はない。

と言われました。学校やセミナーなどに行くと先生や講師の言っていることが正しいように思えます。ただ15−20年前に習ったことが今も正しいままですか? なんなら去年まで正しかったことが今年は正しくないとされていることもあるでしょう。今まで自分が抱いていたバイアスを捨てて新しい物を取り入れるのはすごい勇気ですが、大切なことです。

50年、60年生きて俺の考えは正しいって思ってる人よりも、いつも疑いの目をもち自分の意見を変えれる人は魅力があると思います。

当たり前を疑うこと。大学を卒業するときに部員の前で言った一番伝えたかったことですが、実際に何人にこのメッセージが伝わり、何人が実践しているかは分かりません。

情報を得るとき、常に疑い自分で調べるクセをつけると間違った情報に流されにくくなります。もちろん時間と手間はかかりますが。

著名人や有名人が言っている情報が常に正しいとは限りません。自分で調べるように心がけましょう。

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